MT4のEAでFX自動売買する際、売買タイミングを見極めるために最も幅広く使われている基本的な分析手法の一つとして「移動平均線」があります。移動平均線とは、ある一定期間における価格の平均値の変化をチャート上にグラフで表したもので、相場の動きを大まかな流れで見ることができます。短期的には価格が不規則に上下に動いているように見える相場でも、移動平均線を表示すれば長期的には上昇・下降のどちらのトレンドであるかを判断するのに役立ち、MT4のEA利用者にも広く用いられています。シンプルな分析手法で分かりやすいのでMT4・EAの初心者にもオススメです。
移動平均線には「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」と呼ばれる重要なサインがあり、MT4のEA利用者が理解しておくと非常に役に立ちますので以下に詳細を説明します。
まず前提知識として、移動平均線は、「短期・中期・長期」の3種類のパターンに分類されます。表示するチャートによって用いられる期間は様々で、例えば短期移動平均線は「日足5日、週足13週、月足12ヶ月」、中期移動平均線は「日足25日、週足26週、月足24ヶ月」、長期移動平均線は「日足75日、週足52週、月足60ヶ月」などとなり、投資期間に合わせて使い分けるのが一般的です。移動平均線の期間設定には決まりがありませんが、FXで定番とされている考え方として「5日期間は短期、25日期間は中期、75日期間も中期、200日は長期」というものがあります。FXの営業日は1週間のうち平日の5日間なので、5日移動平均線は直近1週間の流れを意識した短期トレードの参考になり、25日や75日の移動平均線は1~3ヶ月間、200日は半年~1年の相場の流れを判断するために利用できます。線の傾きからトレンドが分かり、例えば短期(5日移動線)で見ると下降しているが中・長期(25日移動線)で見ると上昇している場合、「上昇トレンドなので慌てて売らなくてよい」という判断に役立ちます。
移動平均線における「ゴールデンクロス」とは、「短期の移動平均線が中長期の移動平均線を下から上に突き抜ける現象」のことです。一般的に買いのサインとして利用され、ゴールデンクロスが発生すると相場が上昇する傾向があります。もちろん、ゴールデンクロスが発生したからといって必ず相場が上昇するわけではありませんが、目安として広く用いられています。
一方、「デッドクロス」とは、「短期の移動平均線が中長期の移動平均線を上から下に突き抜ける現象」のことです。一般的に売りのサインとして利用され、デッドクロスが発生すると相場が下落する傾向があります。ただし、ゴールデンクロスと同様、デッドクロスが発生しても必ず相場が下落するわけではない点にはご注意ください。
ゴールデンクロスとデッドクロスにおいて、移動平均線の交差の角度は信頼性に関係しています。交差の角度がゆるやかだと信頼性が低く注意が必要となり、交差の角度がきついと信頼性が高いと言えますので、参考になるでしょう。
その他の注意点として、ゴールデンクロスとデッドクロスの分析は短期の投資には向いていませんので、1日や1ヶ月以内などの売買で参考にしすぎると失敗する恐れがあり、3ヶ月以上の長期投資になってくると信頼度は上がると考えられています。
FXにおいて、必ず成功する取引手法というのは存在しません。ゴールデンクロスやデッドクロスも必ず機能するわけではなく、逆に方向に相場が動いてしまうこともあります。他のインジケーターとの組み合わせによりゴールデンクロスやデッドクロスの精度を高めることができますので、複数のインジケーターについて理解を深めることが重要です。
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